■第五がらくた集積所■

2010/12/30〜2011/01/02
テストピースを分解して展開図を更新したり、再度畳んで粘着テープだらけにする作業を行ったり来たりしながら、各部の構造を詰めてゆく。

今回は徹底的に粘土的に加工するつもりでいたのに、途中でなんだかこれ以上折り込んではいけないような気分のポイントにぶつかる。
ここから先は木工用ボンドに頼るべき領域ということか。

 
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2011/02/13
もうそろそろ、最終調整の段階に入る。

 
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2011/05/04
九州コンベンションの講習作品をどうするか悩んでいたが、なんとかなりそうな雰囲気が見えてきた。
川崎敏和氏のユニット「水晶」を1枚折りの中に複数詰め込んで先端を半開にしてみたら、なんだか教会の尖塔のようなイメージ。
16等分用紙からきちんと建築物っぽい状態にまとまったのはひとまずこの2作品。作品名は「ちいさなおしろ」としておく。
蛇腹の分割を細かくすれば、塔をいろいろな長さ・場所で多数発生させられるはず。

写真の作例のように、各部に「留め折り」を施すことによって、糊なしでも形を保つことは大体可能。しかし、長持ちさせるためには糊をしっかり入れるほうが良いし、より簡単にきれいな仕上がりを得られるだろう。
ピンクのほうを「展開図を見て各自のスピードで進めてもらう講習」で使用するには、2時間で星4つぐらいにしておくべきか。黄色のほうはもうちょっと複雑で講習には難しそうなので、また別の機会に。

 
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2011/08/12〜09/03
摩虎羅大将のコーティングと台が、東京コンベンションの前日でなんとか形になった。
台は木の板を貼り重ねたところに紙粘土を盛りつけて塗装しただけ。こんな単純な作業なら、もっと早く着手していればよかったとも思えるのだが、それぞれの工程のあいだを繋ぐ部分が、頭の中でスムーズに連結しないまま時間が経ってしまったのであった。
こういう連結を素早くできるようにするためには、日頃からもっと、いろいろな分野の一見無駄と思えるような技術を蓄積しておく必要があるのだろう。

 
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「ちいさなおしろ」は24等分になると、左右非対称造形も少しやりやすくなるような気がする。16等分でもできないことはないけれど、あまり余裕のないぎりぎりのところでなんとか成立するのではないだろうか、と予想している。

ところで、自分の中で「ちいさなおしろ」として許容できる構造物の基準が、或る程度存在するらしい。屋根のトンガリ以外の部分について、なるべく体積を感じさせない、重苦しくないイメージにしたいようだ。
最新の24Aでは「一辺の長さが蛇腹の幅ひとつぶんになっている立方体」の体積で9個ぶんの「重苦しい部分」がある。今後の作品で、このへんがどの程度まで許容できるようになるのか。もしくは、そういう構造を内包していてもあまり気にならないような塔の構成が見つかるのかもしれないが。

 
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2011/11/15
人物像のポーズ付けとか筋肉表現の練習教材をつくった。題名はストレートに、「粘土力教材1号」とする。
人物の素体としては神谷氏や小松氏の練り上げられた作品があるが、こちらは非常に単純な構造。多分すでにどこかで複数のひとがつくっていることだろうし、あらためてこの構造を作品として発表するようなものでもないだろう。こまかくいじくり回した上ではじめて成立するものだと思う。
それにしても、このツラガマエがなんだか気になる。もうちょっと複雑にしてバランスを調整してみるか。コンベンションなどで使うには現状ぐらいでとどめておくべきだが。

ところで、これをつくっていて気付いたのだけど。
最近の自分は折っている過程よりも、糊を入れている瞬間のほうが楽しいのではないか。

 
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2015/02/22〜28
橋間氏の新作の「ROBOTS」は、なかなか刺激的な造形だ。
見ていると、脳とか脊髄のいろんな部分のスイッチが入って、新しい回路ができるような気がしてくる。

ふと、以前つくったしわくちゃカブトムシのことを思い出して、同様の技法で人物像をつくってみたくなった。
銀ホイル紙、多分四六判の長方形。 不切一枚のつもりだが、どこか少し破れている可能性も無きにしもあらず。

雲中供養菩薩像という題材については、細かい蛇腹構造を使って、いつか近いうちに作ろうと思っていた。
しかし、今回のような作り方も決して悪くはないような気がする。

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2015/12/28〜2016/1/11
安底羅大将の応用から、再来年のネタである伐折羅大将の構造案を思いついたので試作。同様に不切正方形1枚。
…左右を逆につくってしまった。

もう少し厚い紙を使いたいが、紙が多く重なった頭部については、今回のぐらい薄い紙でないと難しい。
完成までの工程が長いため、表面がかなり荒れるし、荒れた部分からは糊が染みとなって出やすい。どうしたものか。不透明塗装を前提とすべきか?

 
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2016/1/24
伐折羅大将、糊入れ試作の2号。90kgの「きぬもみ」で無理矢理折った。
というよりは、厚い紙でも折れる構造の頭部へと無理矢理改変した。
その結果、10年前の前作と同じく、新薬師寺の像と興福寺東金堂の像を混ぜたようなデザインとなっている。

今回版の顔面には、吉野さんの「虎」の頭部と似た構造を使っている。
そういえば吉野さんは、筒状に丸めた構造で人物や動物の目を表現する技法を、「目筒」(めづつ)と呼んでいた。

全体を見るとまだ不格好な印象になっているのは、頭部が大きいからなのか。
この全体構造のままで、頭部と顔面をさらに小さくすることは可能なのかどうか。すでに、各部を細かく分割して部分ごとの試作をしているだけではとらえきれない、全体を折って考えなければいけない過程に入ってきている。
現時点の状態は、これはこれで、ひとまずの完成形としても良いのかもしれない。

今回版でもまだ、角度によっては、あまり見てほしくない形になっていたりする。
本作が22.5度の構成を主体としていることで、デザインの中に緩急があらわれる反面、「細かく変化させにくい部分」とか、「デザインを調整しにくい部分」が多いことは事実である。目的とするプロポーションを短時間でつくりだすという観点では、やはり22.5度系の構造よりも蛇腹のほうが優れている。
パズルのような構成とか、折紙ならではの制限に縛られた形のおもしろさというものは、「折らない鑑賞者」にとってはどうでもいいこと、もしくは、気付かないことである。

 
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2016/1/31
全身を折る場合よりも大きめになるようにして、頭部のみ試作。
「髪を少し短くして、そのかわりに、髪の本数が4倍になったかのように見える技法」を盛り込んだ。
と言いつつも、一部の頭髪カドについては都合により3分岐しかできないので、全体ではトゲトゲが32本となっている。
頭部全体が少し小さくなったので、全身バランスも改善するのではないかと期待。

次回の制作でついに完成、ということにはならないようで、多分このあと完成までに、最低でもあと1体は全身試作をする必要がありそう。

 
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「北條高史創作折紙作品集 現代折り紙」
CONTEMPORARY ORIGAMI by HOJYO Takashi
SINCE Mar. 13 2003