■第四がらくた集積所■
2009/05/01
連休で実家に戻っていたときに、保管されていた旧作をいくつか撮影した。
このうちほとんどは、1998年の個展以降はあまり展示する機会がなかったものである。
現在の折紙界の技術水準から見ると、そもそもの存在意義が心配になってしまうものが多々あるが、そのへんはひとまずご容赦いただきたい。
 
■「修羅」1997年2月創作 正方形1枚 不切
現時点ではタイムリーかもしれない題材。
だが、なにぶんにも腕が無骨だし、頭部が練り上がっていないし。
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■「増長天」1997年6月創作 正方形1枚 不切
トラのベルト(故・吉野一生氏の「虎」の頭部をそのまま埋め込んだもの)がチャームポイントだが、それ以外の部分のデザインがあっさりしすぎている。容積のイメージは結構出ているんだけど。
そもそもこのような題材では、持物まで同じ用紙から折り出すのは適切ではないような気がしてきている。「伐折羅大将」も、武器を一緒に折り出さない形でバージョンアップするほうがいいのではなかろうか。決して弱気になったのではなくて、純粋に完成デザインの観点からの考えなのだが。
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■「鎧」1993年5月創作 正方形1枚 不切
きっちりと折り基準があるのは最初の基本形までで、あとはほとんど「ぐらい折り」が主体となっている。こういう作品は長時間の集中力持続を必要とするので、今は非常に苦手になってしまった。
やはり20代前半までだよな、こういう作品は。
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■「大魔翁」1996年創作 正方形1枚 不切
魔法使い」(旧題:魔翁)を複雑化したもの。「魔法使い」の杖部分の構造を両腕に仕込んで、左右対称の面積分配となるようにしている。
「魔法使い」をいちど見てからでないと、そもそもどんな題材なのかイマイチわかりにくいかもしれない。
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■「乙女座」1996年創作 正方形1枚 不切
なぜか、背後に鳥が憑いてます。
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■「ギター奏者」1996年1月創作 正方形3枚複合
(上半身1枚、下半身とギターで1枚、椅子1枚)
リットーミュージック社のギター雑誌「ギターグラフィックス」からの依頼で制作。これも「ぐらい折り」のカタマリみたいなものである。(←遠い目)
モデルにした奏者がいて、ギターの機種も「これを」と依頼されたものがあったはずなのだけど、当時の自分の技術では、なんだかよくわからないものになってしまったのだった。
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■「力士」1993年創作 正方形1枚 不切
比較的単純な構造からインサイドアウトで「まわし」を折り出すことができ、それなりにアクションポーズを付けることも可能なのだが、手や足の先端にもっと大きな面積を持ってきておくべきだったなあ、と思えてきた。
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2009/08/02〜13
しばらくぶりの新作「チャボ」ではインサイドアウト表現部分があり、そのために表裏の色が異なる紙が必要になる。
その上で全紙のような大きさがあって、しかも薄くて丈夫で折り紙に向く紙というのはなかなかみつからないのだが、たとえば裏打ちをしたりすると意外にぶ厚くなるし、ボコボコに歪んだり、折っているうちに端がはがれたりしてうまくいったためしがない。それに、使う紙によっては退色しやすいということもあるらしい。
いろいろと悩んだ挙げ句、 「それなら塗ってしまえばいいじゃないか」と気付いた。

 
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早速テストピースとして、全紙から正方形を切り出したコルキーの切れ端を使って実験。
絵の具がしみこんで裏側に滲んでしまうのを避けるには、しみこむ余地がないくらいに濃いままで塗ってしまえばいい。
薄く平坦に塗るのはそれほど難しくない上にゆがみも出ないし、コーティング樹脂で使う溶剤をかけてもびくともしないことを確認。
チャボのために作る紙なので、「チャボペーパー」と呼ぶことにする。

早速調子に乗って、55センチ四方の紙の制作にとりかかる。
やはりこの面積では絵の具を大量に使うことになるので、粘土板に威勢良くモリモリ絞り出して調色。パレットナイフでぐいぐい塗り込んでゆく。

で、このあたりでやっと誤算に気付く(号泣)。
今回つくった色は思ったよりも隠蔽力が弱くて、テストピースのときに使った色とくらべてムラが出やすかった。
それを直すために厚塗りしたり重ね塗りしたりしているうちに、表面がものすごい起伏状態に。

試作品を2枚つくったところで、こういう塗りムラの問題を解決できる「チャボペーパー2号」の案を思いついたが、今回のはひとまずこれはこれとして、実験的に使ってみることにする。
幸いにも「チャボ」では、色の面が出る面積が比較的小さいので、塗りが失敗した部分がうまく隠れてしまったのだった。

チャボペーパー2号の制作はまた今度、時間ができたときにしよう。「黒と白の天使」をもういちど折ってみるのもいいかもしれない。
いつまでも和洋折衷のままにしておくのもなんだか、とも思うので、「バンタムペーパー」と呼ぶことにするか。

 
 
 

それからもうひとつ。
コンベンションで展開図講習をおこなった際に、「勝手にブログなどに載せないでください」と言ったのは、そのときに配布した展開図についてのことであって、各自で折った作品について言ったつもりではないんです。
作品題名と創作者の名前、折り手のかたの名前をきちんと記載してあれば、本件に関してはまったく問題ないと思います。

…ということを書いておくべきだな、と思う事例を見つけたので、一応。

 

2009/12/27〜2010/01/17
十二神将を暗いところで見ると結構怖かったりする。
これは写真撮影がうまくいっていないだけで↓、ホントはもうちょっと怖いのである。

 
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新型暫については、全体の展開図的な構造はすでに確定しているのだが、細かい仕上げ方はこれからきちんと時間をかけて練り上げたいと思う。
今回、ひとまず全体展開図の4分の1構造を切り出して胸像的な試作にしてみた。
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全紙から取った正方形でも結構小さくなる。
顔をこのサイズの半分で折らなきゃならんのか…。それでもまだ、前作よりも顔の割合が大きいので楽だったりするのだけど。
 
 

で、最近いろいろなところで英語力を要求されるようになってきて非常にヤバイ状態なので、この場も練習台にしてみる。

I got a new idea for shaping butterfly wing during I was seeking the design of the wing for next angel model.
General structure of this trial model is very simple, embeded 4 water-bomb bases in one sheet of square paper and compressed their height into twelfth (divided sides 48 ways). Only with pulling out the part folded inside of the box pleats, I've easily got the veins of wings relatively similar appearance to actual pattern.
And then, as for surplus 3 points from the corners of square, I molded them into petals with simple modification, after thinking it must be time-consuming and bothersome to shape them into six legs.
The first thing came to my mind as tripetalous flower was iris (also not accurate from a technical standpoint...) , and the metallic green color of foil paper reminded me of Papilio bianor (Japanese metallic-colored wing swallowtail), therefore I put the title "Papilio bianor visiting iris" to this model.
If I use much more finely-divided box pleats, iris may be more luxurious.

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2010/02/07
As for "Swallowtail visiting iris", finally I used a piece of square paper, box pleats divided sides 64 ways. Folding degrees for more than a half of the steps are not determined clearly in this model, and it is either interesting work or suffering for me, depends on my physical condition and feeling.

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I think it is highly possible to finish folding this model simply looking at these photos for folders who are interested in such directions. However, it seems very difficult for folders not interested in such directions, even if seeing detailed folding diagrams.

At this time point it is comparatively easy to acquire the skills for folding crease pattern of box pleats models by personal exertions, since there are many instructions available. And also I've covered almost all fundamental skills of box pleats in the diagram of Violinist, therefore I believe it is useful for folders wishing to enjoy box pleats.

Under current condition written above, I feel I should prioritize drawing more diagrams for my models that have long finishing steps after folding crease pattern, rather than drawing diagrams for showing fundamental skills of box pleats. Therefore, priority order of drawing diagrams of my models that require very few finishing steps after folding crease pattern (e.g. Aquarius 2005, Geistkämpfer,…) should be low.
 
 

2010/02/20-21
It seems to have monkey-ish aura, and it is very difficult to sweep it away as far as I sought out solutions until now. Of course I've already tried to increase pleats in order to make longer nose, however it is thought to be better to keep trying a little longer with this structure.

Though at first I was trying to design comparatively easy skull with 3-dimentional eye sockets and temples, it's going to be different from that.

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2010/02/24
I thought it may be possible to make vanitas painting-like diorama with my skull models, however it was comparatively difficult to create serious tone.
I'll re-try later.

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2010/06/13
ひと月ぐらいアイデアをあたため続けていたオートバイの試作に着手。
以前の作品「さかなのオブジェ11」の傘部分を「オートバイらしい、厚みのあるタイヤ」に利用できないか、というところからスタート。そのほかの構造は多分あとからついてくるだろう、という一見イイカゲンきわまりない計画だったが、ぼんやりと見通しが立っているような不思議な感覚もあった。
ひとまず今回の試作では、後方下の機械部分が不十分ではあるものの、64等分の蛇腹で大体のパーツが折り出せることを確認できた。次回はもっと蛇腹を増やすことになるのか、もしくはさらに構造を練り上げて部品を分散すれば64等分でも足りるだろうか。

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2010/09/23〜26
新型「暫」の試作に糊を入れて様子を見る。

頭部と背面だけを増強し、それ以外の部分を極力変えないということが今回の方針。ここにたどり着くまでにいろいろと紆余曲折があった。
展開図の密度という意味では高密度化しているものの、必要なカドが事前に折り出されていて面倒な加工を要求しないため、仕上げ作業の比重がかなり低下している。そのため、「こんなに簡単になってしまっていいのだろうか?」という気分になることがたびたびあった。
この写真と旧作の展開図、さらに 「SHIBARAKU-HEAD」の折り図を把握していれば、この新型をすぐに折ってしまうひともいるのではなかろうか。

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2010/12/26〜29
縦横比11:8の紙では腰までとなってしまった「摩虎羅大将」だが、2:1の紙を使って128×64等分にしたら足まで折り出すことができた。
このテストピースには、四六判を縦方向に2枚接ぎ合わせてから切り出した紙を使用。1辺が1.5メートルを越えたので、さすがに操りきれなくなってくる。

「長方形の薄い紙で蛇腹を細かくしたら、凄まじく自由な造形ができるのではないか」と期待していたが、実際はそれほど自由でもなかった。
その一方で、「凄まじく自由な構造を手に入れたとしても、しばらく遊んでみて飽きたら、またこの制限の多い場所へ戻りたくなったりするんじゃないか?」という気もする。

ひとまず基本的なパーツを折り出せることはわかったので、ここからは細部の詰めに入る。

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「北條高史創作折紙作品集 現代折り紙」
CONTEMPORARY ORIGAMI by HOJYO Takashi
SINCE Mar. 13 2003